※本ブログ記事は2015年7月21日に配信したメルマガを掲載したものです。



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では、1分セミナーにいきましょう。


今回は「その預金は被相続人の相続財産?、相続人の財産?」

を解説します。


一般の方は相続税の税務調査があれば、

「被相続人の相続財産を中心にチェックされる」と

思っていらっしゃるかもしれません。


しかし、そうではありません。


本来は被相続人名義であるべき相続財産が相続人名義に

なっていることも多い訳です。


そのため、相続税の税務調査があれば、相続人名義の財産も

「かなり」重点的に調べられます。


実際、ある国税OB税理士はセミナーの中で

○ 被相続人の相続財産に関する税務調査が50%

○ 相続人の財産に関する税務調査が50%

と解説していましたが、その通りだと思います。


それだけ、相続人名義の財産には否認項目が眠っているのです。


しかし、税務調査の現場では否認されたけれども、最終的には、

納税者が勝った事例もあります。


平成25年12月10日の国税不服審判所の裁決を例に挙げましょう。


まずは、この裁決の前提条件です。


○ 相続開始日(被相続人の死亡日):平成21年12月×日


〇 相続人:被相続人の配偶者A、子供B、子供の妻C(養子)


〇 税務調査で相続人名義、孫名義の預金が相続財産であると否認

・ 被相続人の収入、相続人や孫の収入から、相続人名義、孫名義の

  預金は不相当に多額と税務署は主張

・ 孫名義の預金の開設時の銀行印が被相続人の印鑑であり、

  孫はこの預金開設時に4歳であり、収入が無かったとも主張


〇 重加算税も課された


この前提の下、国税不服審判所は下記と判断しました。


国税不服審判所が認定した事実も含め、記載します(概要)。


〇 銀行印は10本(各人ごとに区別されていた)


〇 孫名義の預金の届出印は開設時は被相続人の印鑑であったが、

  その後、孫の印鑑に改印された


〇 配偶者には、昭和56年時点において、約740万円の資金があった


〇 被相続人印、配偶者印「以外」の印鑑はBC夫婦が使用していた


〇 税務署の主張についての判断

・ 問題になった預金の管理状況については、単に配偶者Aが平成17年

  まで管理していたと主張するのみ

・ 銀行印の状況や保管場所など管理状況につき、具体的に主張も立証も

  行なっていない

・ 預貯金開設時の出資者については、相続開始日前3年間の被相続人の

  収入が多額であること等を挙げるのみ

・ 被相続人からBCが平成18年に受けた贈与については、贈与税の

  申告を行っているから、贈与税の申告をしていないものについては、

  贈与が無かったからと主張するのみであり、認められない

・ 孫名義の銀行印が被相続人印と同じで、開設当時に孫は4歳であり、

  出資者は被相続人である旨を主張するが、出資者が被相続人である

  とは認められない

・ 孫名義の預金の届出印は改印され、以後の管理はBC夫婦がしている


○ 預金の管理状況について

・ 平成17年に配偶者Aが入院した後は、BCがその管理を行っていた

・ 被相続人名義、配偶者A名義「以外」の預金はBC夫婦が管理していた


○ 預金の開設時の出資者、贈与の事実の有無について

・ 税務署は平成16年まで遡って金融機関を調査し、国税不服審判所も

  これに基づいて、調査を行った

・ 個々の預貯金等の出資者が誰であるかを認定することはできなかった

・ 納税者は資料を提出して贈与の事実があった旨を主張したが、

  税務署は「BC夫婦が贈与税の申告をしていないので、イコール

  贈与がなかった」という旨を主張するのみ


○ 預金の管理・運用の状況、原資となった金銭の出資者、贈与の事実の

  有無等を総合的に判断しても、相続人名義、孫名義の預金が誰に帰属

  するかが明らかではなく、これらの預金が被相続人の相続財産に該当

  すると認めることはできない


いかがでしょうか?


もちろん、これは個別事案であり、細かい事実関係は本メルマガでは

省略しているので、メルマガの内容だけで判断はしないで下さい。


ただし、同様の状況は世の中では「非常に沢山」起きていますし、

この事例も国税不服審判所まで争っているのです。


こういうトラブルに巻き込まれないためにも、重要なことは

下記のことです。


1、銀行印は各人ごとに分けること(口座の開設当初から)

2、資金移動は預金間の振替で行なうこと

3、贈与契約書は「贈与の都度」作成すること

4、贈与後は、贈与された人(贈与された人が未成年なら親権者)が

  贈与された財産の「全て」を管理すること

→ 預貯金であれば、通帳、キャッシュカード、銀行員

5、贈与税の申告が必要な場合は申告しておくこと


この5点に不備があるので、

○ その預貯金は被相続人の相続財産か?、相続人の財産か?

○ 贈与はあったのか?、無かったのか?

というトラブルが絶えないのです。



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■編集後記(見田村)


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