※ 本ブログ記事は過去(2019年2月4日)に配信したメルマガを掲載したものです。


皆さん、おはようございます!朝4時起きの税理士見田村です。

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下記セミナーは今回が最後の告知です。


2月に東京、名古屋、大阪、高松、広島、福岡で

「税理士が知っておくべき税務の盲点セミナー」(所得税編)を

開催します。


確定申告が始まる時期なので、「所得税」に焦点を絞り、

〇 間違えやすい論点

〇 間違ってはいないが、お客様に損をさせてしまう論点

を解説します。


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是非、ご参加ください。


解説する内容(予定)は下記となります。


〇 借主が1年分の家賃を前払い。

  不動産オーナーはいつの収益に計上するのか?

  不動産所得の事業的規模、業務的規模による違いも解説。


〇 過去5年分の所得税の更正の請求をする場合、

  最初にチェックするポイントは?


〇 事業的規模か? 否か? で是認された事例、否認された事例。


〇 修繕費か?資本的支出か?

  その判断基準と書面添付をする場合の記載ポイント。


〇 青色事業専従者の該当性(1日何時間の労働が必要?)、

  また、適正給与額は?


〇 被相続人が所有していた貸家を相続した場合の注意点。


〇 形式上は別居でも、税務上は同居となる場合とは?


〇 居住用財産の購入、譲渡があった場合に

  必ず確認しておくべきことは?(複数の事務所で事故が起きた内容)


〇 遺産分割により取得した不動産を相続人間で交換する場合の注意点。


「税理士が知っておくべき税務の盲点セミナー」(所得税編)

http://teian-juku.com/seminar/


では、今日は皆さんに

「生命保険の失効、放置の危険性」を解説します。


皆さんの会社で

解約返戻率のピーク期間が短い生命保険に入っていませんか?


また、過去にこういう生命保険に加入し、

ピークの期間が来てしまったので、

保険料を支払うのをやめて保険契約を失効させ、

そのまま放置しているものはありませんか?


さらに、放置している契約を役員退職給与を支払う段階で解約し、

そのときに解約返戻金の収益計上をしようと

考えてはいませんか?


しかし、「生命保険契約の失効→放置」という場合、

次の取り扱いとなります。


生命保険契約が失効した場合、

契約を復活できる期間を復活可能期間と言います。


この復活可能期間が経過してしまった場合、

もう保険契約を復活させることはできず、

解約するしかない訳です。


つまり、「この時点で解約確定」となる訳です。


ということは、解約の手続きをするしないに関わらず、

復活可能期間を経過した時点で「解約返戻金-資産計上の保険料」を

収益に計上しなければ「ならない」訳です。


これを一般事業で考えれば、商品を納品した場合、

請求書の発行をまだしていなくても、

また、お金をまだもらっていなくても、

収益計上しなければ「ならない」のと同じです。


実際、保険税務にも精通されている酒井克彦先生※の

著書「クローズアップ保険税務」でも下記とされています。


※ 国税庁長官官房などに在籍後、現在は中央大学商学部教授


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したがって、失効の時点では、解約返戻金を認識して、

資産計上している保険積立金との差益、差損を計上することはできない。


しかし、復活手続きをとらないまま復活可能期間を経過した場合には、

解約返戻金の受領が確定したものとして、

資産計上している保険積立金との差益、差損を計上することになる。
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ここで、問題になるのが、失効した保険契約を

役員退職給与を支払うタイミングまで放置しているケースです。


たとえば、

〇 2019年3月期:復活可能期間が経過(=解約確定)

〇 2022年3月期:解約の手続きをし、解約返戻金を受領し、

役員退職給与の支払った

というケースです。


2022年3月期の役員退職給与の原資は

「法人税を繰り延べてきた解約返戻金」です。


しかし、これは2019年3月期に収益計上すべきものですから、

これが税務調査で否認されれば、下記となります。


〇 2019年3月期:保険の解約に伴う差益の修正申告、納税

→ 法人税を繰り延べた効果は無くなる。


〇 法人税を支払った後のお金で役員退職給与を支払うことになる。

→ 生命保険で役員退職給与の準備をした意味がない。


さらに、大半の場合は「支払保険料の総額>解約返戻金」となるので、

〇 解約した場合、お金が減って戻ってくる。

〇 減って戻ってきた解約返戻金に対して、法人税がかかる。

となります。


具体的に、

〇 生命保険で節税しなかった場合

〇 生命保険で節税した場合

を比較してみましょう。


〇 毎年の利益が100

〇 年払保険料(全額損金)が100

〇 10年支払った後に解約

〇 解約返戻率が90%

〇 法人税等の税率を30%

とします。


〇 生命保険で節税しない場合

・ 利益100×(1-30%)=70(毎年、残るお金)

・ 10年後:70×10年=700

・ 10年間で残ったお金:700


〇 生命保険で節税する場合

・ 利益100-保険料100=利益0

・ 10年後:累計保険料1,000×90%×(1-30%)=630

・ 10年間で残ったお金:630


解約返戻金に課税されてしまうと、

10年間で「70のお金」が減っている訳です。


ただし、後者の事例で900の役員退職給与を支払えば、

〇 収益:解約返戻金900

〇 経費:役員退職給与900

が相殺され、解約返戻金に対する課税はない訳です。


しかし、解約返戻金を役員退職給与に充てられなければ、

解約返戻金に対する課税だけが先行するので、

そうであれば、「保険に入らない方が得だった」となるのです。


(もちろん、生命保険の本来の機能である保障の話は

度外視しています。)


これが生命保険契約を失効させ、放置しているケースにも起きる訳です。


だから、役員退職給与の原資として生命保険に加入し、

解約返戻金を充てる予定であるならば、

解約返戻金を役員退職給与に充てることは「絶対命題」なのです。


特に、解約返戻率のピーク期間が短い生命保険の場合は注意が必要です。


また、役員退職給与を支払って株価を下げ、

その後に後継者に贈与等をするというケースもありますが、

上記の否認がされれば、株価計算も変わってきます。


そういう意味では資金効率という意味だけでなく、

多角的に関わってくることになるので、

生命保険契約の失効、放置を安易に考えないようにしましょう。


保険会社の担当者でも「解約の手続き時に収益計上すればいい」と

考えている人がいますが、これは間違っています。


もし、皆さんの会社で節税のために生命保険に入ったものの、

解約返戻率のピーク時に役員退職給与などの損金が作れず、

失効させ、放置している生命保険契約があれば、ご注意ください。


「失効 → 放置」という方法は

こういうリスクを含んでいるのです。


さらに、皆さんの会社が「とりあえずの節税」を考え、

解約時の経費を当てられない可能性が高い生命保険に加入しているなら、

〇 保険の期間を延長し、解約返戻率のピークをずらす

〇 その保険を解約し、別の保険に加入する

ということも検討すべきでしょう。


特に、後者の場合、

「まだ解約返戻率が〇%と低いから、解約したくない」

ということもあるかもしれません。


しかし、上記の具体例を5年で考えてみましょう。

〇 生命保険で節税しない場合

・ 利益100×(1-30%)=70(毎年、残るお金)

・ 5年後:70×5年=350

・ 5年間で残ったお金:350


〇 生命保険で節税する場合

・ 利益100-保険料100=利益0

・ 5年後:累計保険料500×90%×(1-30%)=315

・ 5年間で残ったお金:315


10年間の計算では損したお金は「70」でしたが、

5年間の計算では「35」に留められています。


そういう意味では、出口の経費を充てられない可能性が高いならば、

「率」を見ずに、「額」を見て、

早めに解約することを検討した方がいい「かも」しれない訳です。


この点は状況次第なので、一概には言えませんが、

出口のない節税はお金を減らすことになってしまうのです。


いずれにせよ、「失効→放置」を前提に考えてはいけない訳です。


もっといえば、金融庁が目をつければ、

「失効→放置」ということ自体が

世の中から無くなる可能性もある訳です。


5年後、10年後、15年後も

この方法は可能であると考えない方がいいでしょう。


追伸


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■編集後記


インフルエンザが流行っていますが、

私はインフルエンザにかかったことがありません。


最近はずっと予防接種もしていません。


体質もあるのでしょうが、いつもマスクをし、

手洗い、アルコール消毒は徹底してやっていますね。


必要以上にはですが、

他人が触った物には触らないようにもしています。


こういう「ほんの少しの手間」が大事だと思っていますが、

これをやらない人も多いですね。


不可抗力的に罹患してしまうこともあるのでしょうが、 

やるべきことは「全て」やるのが大切だと思います。

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