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では、今日は

「非常勤役員の役員報酬の適正額は?」

を解説します。


〇 社長の親族が非常勤役員として登記されている。

〇 登記されているだけで、実態は(ほぼ?)何もしていない?

〇 一定額の役員報酬が支払われている。


このようなケースはよくあるかと思います。


この場合、本来は

「役員としての職務執行の実態がない」

ということであれば、

役員報酬そのものが否認されることになります。


しかし、この否認は実際には難しいものとなります。


過去の事例を見ても、 

「本当は、役員としての職務執行の実態がないのでは?」と

推察されるものでも、

過大役員報酬としての否認で終わっています。


(役員賞与と否認されている事例もあります。)


ちなみに、平成17年12月19日の裁決をみると、

納税者の「社長の母(取締役)は、社長のよき相談相手」との主張に対し、

国税不服審判所は下記と判断しています。


〇 よき相談相手という主張は客観性・具体性に欠ける。

〇 この主張を認めるには、その裏付けとなる証拠資料が必要。

〇 納税者は何ら具体的な資料を提出していない。


実態として何もしていない場合、

「経営の相談相手」としか主張できないでしょう。


だから、皆さんがこれを主張するならば、

〇 部分的にでも経営に参画している実態

〇 その議事録などの資料

などを準備しておく必要があります。


なお、この事例においては、

「社長の母は、従業員の相談相手」と国税が認定し、

国税不服審判所もこれを認めたため、

過大役員報酬の否認で終わっています。   


結果として、過大役員報酬の否認で終わることが多いのです。


では、過去の事例をみてみると、

非常勤役員の適正な役員報酬はいくらと判断されたのでしょうか?


〇 国税不服審判所の裁決(平成9年9月29日)

・ 平成4年7月期:122万円

・ 平成5年7月期:116万円

・ 平成6年7月期:180万円


〇 国税不服審判所の裁決(平成13年6月22日)

・ 平成8年12月期:75万7,500円

・ 平成9年12月期:59万1,060円

・ 平成10年12月期:48万3,648円


〇 国税不服審判所の裁決(平成17年12月19日)

・ 平成15年1月期:118万7,000円

・ 平成16年1月期:186万円


〇 国税不服審判所の裁決(平成20年11月14日)

・ 平成16年5月期:61万9,152円(4か月)

・ 平成17年5月期:187万7,167円

・ 平成18年5月期:196万8,833円


〇 東京高裁(平成23年2月24日)

※ この事例は上記の裁決(平成20年11月14日)が

  争われたものです。

・ 平成16年5月期:36万6,200円(4か月)

・ 平成17年5月期:130万9,022円

・ 平成18年5月期:123万4545円


いずれも、月額5~15万円程度という非常に厳しい結果ですが、

非常勤取締役の適正役員報酬について争われると、

こういう結果になる可能性が高い訳です。


なお、この否認が行われる場合、

「同じような規模の同業他社の役員報酬」との比較は必須です。


これに関する判決として、次のものがあります。


------------------------------------------------------------------------------
岐阜地裁判決(昭和56年7月1日)


〇 役員報酬が客観的に適正か否かを判断するにつき、

  類似法人における額との比較は不可欠。


〇 役員の職務内容、法人の収益、従業員の給与の状況などの事情だけで、

  役員報酬の適正額を客観的に決定することは著しく困難。

→ この判断は恣意に流れやすくなることが当然だからNG。
------------------------------------------------------------------------------


だから、同業他社の非常勤役員の役員報酬と比較されてしまうと、

月額10万円程度が適正役員報酬となる可能性が高いのです。


皆さんの会社では

社長の親族を非常勤役員にしていませんか?


もちろん、非常勤役員と一口に言っても、

役員報酬が低額にしかならない訳ではありません。


当然ですが、その勤務「日数」が少なくても、

貢献度が高ければ、一定額の役員報酬を支払うことは可能です。


比較することが適当ではないかもしれませんが、

上場会社では年収が1,000万円超の非常勤役員もいます。


非上場会社でもあります。 


だから、勤務日数だけで判断するものではありませんが、

「社長の親族が非常勤役員である一般的なケース」では、

職務内容もほぼ?ないことも多いでしょう。


しかし、それはリスクが大きいので、

〇 部分的にでも経営に参画している実態

〇 その議事録などの資料

などを揃えておく必要があるのです。


ちなみに、上記の平成9年9月29日裁決では、

非常勤取締役の326万4,000円という役員報酬も

否認されています。


月額27万2,000円ですが、

これでも否認されていることからすると、

十分な注意が必要なのです。


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■編集後記


2月のセミナーが終わったので、

今回の土日はゆっくりしてしまいました・・・。


ただし、通常は土日でも朝3時間程度は仕事をするので、

6時間くらいの仕事時間が減ったことになります。


結果、今日の業務は厳しい・・・。


いくつかやらなければならないことがあるので、

早めに終わらせます。

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